あの頃は海がもっと近かった気がする
吹き抜ける風は潮の香りを運んでくれた
遠く響く汽笛とレールの音が
窓を開けた朝 僕の前を通り過ぎた
缶蹴りで遊んだ空き地には家が建って
泣きながら歩いた路地も明るくなった
でも今も残るこの街の景色の中には
あの頃の僕が重なって映っている
公園までの道は少し暗くて怖かったけれど
母に手を引かれて歩き出した
国道からの道は少し狭くて寂しかったけれど
家の灯り目指して駆け抜けた
夕焼けに染まった My Home Town
初めて乗った地下鉄の窓の外には
暗いトンネルの中にある未来を見た
路面電車とバスを乗り継いだ記憶が
少しずつかすむようにフェイドアウトしていく
定期券落として泣きながら捜して歩いた
やさしくなぐさめてくれたあの駅員は
五反田の階段を上る時振り向けば
無くした瞬間とともにそこにあった
紙芝居の列はいつも後ろで見えなかったけれど
あんず飴の味は神社の杜
公園には大きな池と機関車が秘密基地だった
泥だらけの僕が笑いころげてる
夕立ちに煙った My Home Town
桜の花が舞う通学路 今日から新学期
不安と楽しみで胸が高まる
焼けるような日差しで目を覚ます夏休み
梅雨が明けた空は突き抜けるBlue！
大好きな９月は誕生日と秋祭り
木立抜けた広場に祭囃子
ダークグレイに染まる凍える空 町は冬景色
熱を出した夜は母に抱かれ
今もそこにある僕が生まれた町 My Home Town